成長期の食事
成長期に意識したい栄養素
成長期とは身体の様々な器官が量的・質的に発達する大切な時期です。
体を作るもととなる栄養素をきちんとバランスよく摂ることが重要です。
小学生が体を大きくするための食事
小学生は、まだ急激に成長する時期ではありません。
体を作るための栄養素をしっかり摂ってよく遊び、ぐっすりと睡眠を摂り、思春期までの成長に備えます。
なお、スポーツをする子どもの食事摂取量は、普通の量よりの約30~50%増しを目安にしましょう。
カルシウム |
ヨーグルト・牛乳・チーズなどの乳製品 煮干し、いわし シラスなどの小魚類 豆腐、納豆、味噌などの大豆製品 小松菜、チンゲンサイ・葉ねぎなどの野菜類 わかめ、こんぶなどの海藻類 |
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リン |
様々な食品中に含まれています。 ただし、リンの過剰摂取は、体内でカルシウムとのバランスが崩れると逆に骨のカルシウム量が減少し、骨が弱くなったり、肝機能を低下させることがあります。 肉や魚、卵はカルシウムに比べて、リンの割合が高いため、摂りすぎには注意が必要です。 特に加工食品にたくさん含まれているためインスタント食品やスナック菓子の摂りすぎには注意しましょう。 |
ビタミンC |
赤ピーマン・ブロッコリー・ジャガイモなどの野菜 アセロラ・オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどの果物 |
ビタミンD |
しらす干し・さけ・いくら・いわし・うなぎなどの魚類 きくらげ・まいたけなどのきのこ類 卵黄・マーガリン など ビタミンDは本来、紫外線を浴びることによって体内で生成されるため、屋外に出て遊びやスポーツをすることで骨の成長に有効です。 |
たんぱく質 |
肉類・魚類・豆類・卵・乳製品などの食品に多く含まれます。 体内でたんぱく質は20種類のアミノ酸によって構成されています。 たんぱく質⇒(分解)⇒ペプチド⇒(分解)⇒アミノ酸 たんぱく質の摂取においてアミノ酸バランスを良くすることが大切です。 卵はアミノ酸バランスの良い食品です。成長期であれば、1日3個程度毎日摂取しても大丈夫です。 ただし、肉類は脂肪を多く含んでいるため、赤身や鶏肉など、脂肪の摂取を抑えるよう注意しましょう。 |
鉄 |
レバー、はまぐり、あさり、ひじき、のり、煮干し、ホウレンソウなどです。 レバーや牛肉、マグロなどの赤身の動物性食品は、鉄分の吸収効率ががよいのでお勧めです。 |
※ 効率の良い摂取方法
- カルシウム・鉄の吸収はクエン酸とビタミンC・Dによって促進されるため、ヨーグルトや牛乳と果物を組み合わせると効果的です。
- バランスよくアミノ酸を摂取するためには卵が有効ですが、リンとカルシウムのバランスが崩れないよう、カルシウムの摂取を心がけましょう。
疲労回復
まずは、当たり前のことですが十分な食事と休養(睡眠)をとり疲労を蓄積させないことが重要です。
しかし、それでも疲れて頭が働かなくなることがあります。
- 脳や筋肉のエネルギー源である糖質(グリコーゲン)が消費すると、血糖値が低下し判断力や理解力、記憶力などの脳の働きが鈍るからです。
- 効率よく回復するためには、脳の働きを活性化するための糖質と一緒にたんぱく質を合わせるとグリコーゲンの回復が促進されます。
- また、柑橘類に含まれるクエン酸がグリコーゲンの合成を高めてくれます。
- 疲労とともにストレスも受けますが、体内で血糖値や血圧をあげることによってストレスに対抗しています。その際、ビタミンCが必要となります。
よって、疲労を予防、回復させるためには、
糖質(ごはん・パン・パスタ など)
たんぱく質(ツナ・卵・納豆・肉 など)
ビタミンC、クエン酸(いちご・オレンジ・ブロッコリー・レモン・グレープフルーツ など)
が有効です。
ただし、疲れがたまりすぎて胃腸の働きが低下しているときは、無理をせず水分を多く含み、柔らかく煮込んだメニューにしてあげましょう。
(煮込みうどん・雑炊・鍋物・シチュー など)
運動能力が低下してしまう原因
筋肉を収縮させる直接的なエネルギー源は、食事によって体内に摂取された糖質や脂肪の代謝によって供給されますが、その代謝を円滑に進めるためにはビタミンB1とB2が必要です。
また、筋肉の合成やアミノ酸の代謝が盛んであるため、アミノ酸代謝を促進させるビタミンB6もしっかりとらなくてはなりません。
ビタミンB1 | 豚肉、小麦胚芽、卵黄、ウナギ、大豆 など ビタミンB1は煮たりゆでたりすると損失が大きいので、摂取不足になり易いビタミンです。 |
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ビタミンB2 | 乳製品、レバー、緑黄色野菜、魚、卵 など |
ビタミンB6 | 小麦胚芽、レバー、納豆、キャベツ、バナナ、卵、トウモロコシ、ピーナッツ など ビタミンB6は欠乏すると無気力、集中力の低下、貧血などの原因になります。 |
鉄分 | トレーニングによって跳んだり走ったり衝突したりと物理的な衝撃を受けるため、赤血球が破壊されやすく貧血になり易く、酸素運搬能力を低下させ、持久力の低下を招く危険性があります。 |